うちわで涼しく
夏の風物詩である“うちわ”。私たちにとって『浴衣にうちわ』というイメージがあるため日本発祥のような気がしますが、うちわの歴史を振り返ってみるとなんと古代中国や古代エジプトの時代から既に存在していたのです。
日本では古墳時代に古墳祭祀の道具として使われたのが最初だと言われています。
それが中世になると公家や役人、僧侶の間で力を表すステータスとして、絹や鳥の羽などを用いた豪華なうちわが作られ、同時代に庶民の間では軽くて便利な涼をとれる道具として使われるようになりました。
戦国時代に入ると、今度は“軍配うちわ”として家紋を入れて軍の指揮をとり、さらに軍の象徴としてのぼり旗などと一緒にうちわも使われるようになりました。
明治時代に入り、新たな用途として鉄道会社などが広告うちわとして廉価なうちわを配布用として配り始めました。
そして現代のようにプラスチックのうちわが使われるようになったのが昭和40年代からですが、高度経済成長期に突入し、扇風機やクーラーが使われるようになると、うちわの役割は縮小していってしまいました。
今ではエアコンの普及で、室内でうちわを扇ぐことはほとんどなくなってしまいましたが、浴衣を着て花火を見ながらうちわで扇ぐ姿を見ると、改めて夏がやってきたんだなと感じますね。
ちなみに“左うちわ”という言葉がありますが、「なぜ左なのか?」というと多くの人は右利きなのでうちわを持つのは右手となります。左手でうちわを持って扇いでも、利き手ではないので風をゆっくりしか扇げない。つまり『ゆっくり生活する』、『必死に働く必要がない豊かな生活を送っている』という意味になるのです。
皆さんはご存知だったでしょうか?
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9月に入り、季節は秋へと変化していきますが、まだまだ暑さ続くこの時期にいかがでしょうか。